「後先考えて動け」が時に間違ってる理由|先のことなんて誰にも分からない

日常生活で「後先考えて動け」と言われたり、質問したら「自分で考えて行動しろ」などと言われた経験はありますでしょうか。

社会人として仕事していると、上司から言われる場面はあるかもしれません。

僕も生きてきた中で何度か言われたことはありますが、正直この「考えて動け」という言葉に疑問を感じることが多々あります。

もちろん常に思考停止状態でいるのもそれはそれで問題ですが、

「行動する前に“考えすぎる”ことのデメリットって大きいよな」とも思うんです。

目次

時間がもったいないし「答えがないこと」を考える意味はない

今でも鮮明に覚えています。僕が観光船でアルバイトをしていた頃に、上司からこんなお叱りを受けて、非常にモヤモヤしました。

ある道具の片づけをしていたのですが、いきなり遠くの方から

「ちょっと待って、何してんの?」

と怒られ気味に言われたので、困惑気味に

「いや、これの片づけをしていますが」

と答えました。

すると上司から

「じゃあやってみな?そのやり方がどれだけ大変か分かるから」

と挑発気味というか、高圧的に言われました。

「はい、わかりました」と言いつつも、間違っていると分かっているのにやることに意味がないし、時間がもったいないなと思ったので、

「違うならやめときますよ。正しいやり方を教えてください」

と返答し直したら、

「自分で考えろ!」「想像して動け!」

という風なお叱りを受けました。

考えたか考えてないかで言ったら、考えた上で実行したのですが、

それが上司の考える“正しいやり方”ではなかったようで「もっと想像しろ!」と…。

じゃあ上司の考える”正しいやり方”を導き出すまで、永遠とんーんー考えればよかったのか?
こちらからすれば、そもそも”正しいやり方”なんてものがあるのかどうかも分からないのに?

とすごくモヤモヤしたのを覚えています。

僕はその上司に比べて圧倒的に経験が浅いので、いくら考えたところで上司と思考のシンクロ率が100%になることなんてありえないし、

そもそも答えがない(答えがあるのかどうかも分からない)ことを考えることに意味はありません。

だから、

分からなかったらすぐに質問して、上司の意見(答え)を聞く。

その積み重ねにより知見が蓄えられて、上司との思考のシンクロ率も上がっていきます。

だからすぐに聞けばいいし、上司なら無駄に考えさせずすぐに教えればいいと思うんですよね。

経験の浅い人間がいくら時間をかけて考えたところで、正解を導き出すことは難しいし、経験豊富な人と同じ思考に至ることも難しい。

あくまでも、あの場面では「考えるだけ時間の無駄」だと僕は思っていました。

僕があのとき上司なら、すぐに「これはこうした方がいいよ。なぜならこうこうこうだから」と教えて、無駄な時間もストレスもかけませんでした。

ただ冒頭にも書いた通り、
常に思考停止状態でいるのとは違いますし、全く考えずに動くのとは違います。

あくまでも「それは時間をかけて考えるべきことなのか」というのが本質的な問題です。

「後先のこと」なんて誰にも分からない

「考えて動け」と似ていますが「後先考えろ」というメッセージもよく見聞きしますよね。

もちろん、一歩立ち止まって考えることで危機を回避することができたり、もっと良い選択肢が見えてくることもあると思います。

なので「動く」前に「考える」時間をワンクッション置くことは、たしかに大切なことです。

しかし、3秒塾考して分からないものは、それ以上考えてもだいたい分からないと思うんですよね。

加えて言えば、先のことなんて誰にも分かりません。

経験や知識が増えれば予測できることもあると思いますが、基本的には未来のことなんて正確には分かりませんよね?

「分からないこと」に対してあれこれと考えて時間を使うくらいなら、とりあえずすぐ行動して、その結果のフィードバックを受ければいいと僕は思います。

そのフィードバックの蓄積により思考の精度は上がってくるし、思考の時間もどんどん短くなっていきます。

人の「主観」や「感情」なんてあてにならない

「後先考えろ」「考えて動け」というのは、相手の“思考の精度”を過度に信用している発言ですよね。

普通の人は(相手は)考えればこれくらいのことは分かるよね、という。

だけど“思考の精度”は経験・知識の差によって変わるので、それでマウントとるのは違うよな…と思うのがまず一つ。

もう一つは、少し抽象度の高い話になりますが、そもそも人の主観や感情なんてあてにならないと僕は思うんです。

「これはこうだ」と思い込んでいたことが実は違っていた、なんて勘違いはよくあることですし、
他の選択肢もあったり、もっとベターな選択肢がある場合もあります。

  • 優しいと思っていたあの人が、実は裏で人の悪口を言っていた…
  • 税金や法律の知識がないから起業できないと思っていたが、全く必要なかった…
  • 結婚したら幸せになれると思っていたが、我慢と妥協のオンパレードで実際はそんなことなかった…

こんなことはよく聞きますよね。

先日、僕の知人で「ウナギは骨がたくさんあるから食べれない」という人がいたのですが、
食べてみたら案外そんなことはなくて(多少の小骨はありますが)、美味しくて逆にハマっていました(笑)

人生ってそんな勘違いだらけだし、自分の主観って本当に頼りにならないんですよ。

ただでさえ主観なんてあてにならないのに、ぐだぐだ悩んで時間ばかりが過ぎていく…ってめちゃくちゃもったいないと思いませんか?

人に考えさせる(=人の主観や”思考の精度”を過度に信用する)のも同じです。

感情なんてただの幻想に過ぎない

人は日常的に何かしらの「不安」を感じていたり、せっかくやる気になって行動を起こそうとしたのに、とたんに「いやでも…」と何かしらの不安に駆られてやめてしまう、なんてことはよくあるかと思います。

ビジネスに関していうと、

  • 会社や知人にバレるかもしれない
  • 成果が出ず自己投資したお金が無駄になるかもしれない
  • 否定されたり応援されないかもしれない
  • 騙されるかもしれない
  • 税金の問題に引っかかるかもしれない

こんな「不安」を感じて起業することに二の足を踏むことはめっちゃありますよね。

僕の場合、

仕事の集中力を高めるために「カフェに行こう」と思ったが、「でも今の時間帯は混んでて良い席がなさそうだよな~」と意味の分からない不安がよぎり、結局家で仕事をするが集中力が続かない…、なんてことが何度あっただろうか。

今の自分からすると「悩んでる暇にいいから行けよ」の一言に尽きるわけですが(笑)、

「それ今考えても仕方なくない?」という不安や悩みで行動がストップしてしまうことって、本当にもったいないと思うんですよ。

しかも、過去の自分含め大体の人が「考えている」つもりで、実は「悩んでいる(感情にのみ込まれている)」だけだったりします。

ちょっとだけ専門的なことを言うと、

新たなことに挑戦しようとしたり何か行動を起こそうとすると、ホメオスタシス(恒常性維持機能)が働き、「不安」という感情を用いて自分を現状維持させようとします。

僕の人生経験においても、「かもしれない…」と不安に駆られたことが実際に起こってしまったことなんて、ほとんどないんですよね。

つまり感情や不安なんて自分が作りだした「幻想」に過ぎず、ほとんどの場合実際にはその通りにならないわけです。

AさんとBさんの2人が同じ行動をとったとしても、Aさんは「しんどい…」と感じてBさんは「楽しい!」と感じるかもしれない。

同じ行動をとったとしても、感じ方(つまり抱く感情)は違うわけです。

つまり「感情」なんて実態のない幻想、妄想にすぎないわけですから、感情にしたがって選択をするとロクなことはありません。

そして、

“後先”を考えようとしたり、行動を起こす前に「まずは良く考えてから…」とやろうとすると、
だいたい不安などのネガティブな感情が流れ込んできます。

不確定なことに悩むのはもったいない!大きなデメリットとは?

思考停止状態になるのとは違うし、考えず行動した結果大きなミスや過ちをしてしまうこともあるので、ケースバイケースではあると思います。

しかし、

人の主観や感情なんてあてにならないし、考えても分からないことに時間をかけてしまうのはもったいないし、意味がないことです。

行動する前にあれこれ考えすぎてしまう癖がつくとどうなるのか。そのデメリットについてまとめました。

行動が遅い

あれこれ考えすぎてしまう人はとにかく行動が遅いです。

考えている時はだいたい手が止まってしまっているので、シンプルに「何もしていない時間」にあたります。

仕事が早い人などはひとまず行動に移し、やっていく中で考えながら方向修正をしていきます。

「何もしていない時間」が少ないので人より多くの仕事をこなすことができるし、多くの試行回数を踏むことができるので成長も早いです。

見切り発車でもいいので「まず動く」。そして走りながら思考を回して軌道修正していく。この方が人生においては得をすることが多いでしょう。

行動が遅いと、同じ時間があっても積み上げられるモノの量が少なくなるし、試行回数が減って成長速度も落ちるし、手にするチャンスの数も減ってしまいます。

動けなくなる

既に上述しておりますが、行動する前に考えすぎることで「動けなくなってしまう」ことは多々あります。

なぜなら、「不安」などのネガティブな感情が流れ込んできて、自分の挑戦や変化を引き止め、現状維持に縛り付けようとするからです。

感情という「妄想」「実態のない幻想」に囚われて動けなくなり、時間を無駄にし、せっかくやる気が起きたのに結局「やらない」方向に落ち着いてしまう。

こんなにもったいないことはないですよね。

「考える」というのは「悩む」というネガティブな方向にいってしまうことが多々あるので、せっかく”挑戦”したことをやめてしまったり、やる気(熱量)が冷めてしまったり、あと一歩のところで成果が出るのに急に我に返ってしまい「こんなことしても無駄だよな」と挫折してしまう。

人の”行動力”を奪うとても強力なチカラを持っています。

せっかくの掴んだチャンスを無にしてしまうこともあるので、非常にもったいないですよね!

まずは「動く」!走りながら考えて修正しよう

ここまでは行動する前に考えすぎることのデメリットなどをお伝えしてきましたが、「じゃあどうすればいいのか?」という具体的な方法についてお伝えしていきます。

答えはシンプルです。まずは動きましょう!

見切り発車でもいいので、まずは一歩を踏み出すこと。

そして走りながら思考を回すこと。

その「思考」も、リスクやネガティブになることを考えるのではなく、「どうしたらそれが成し遂げられるのか?」という前向きなことを考えましょう。

リスクとか言い出したらキリがないし、あれこれ考えているうちに「不安」という感情に付け込まれる可能性があるので。

『PDCAサイクル』はやめましょう。正しくは…

ビジネスシーンでよく使われる『PDCAサイクル』という言葉。

計画(Plan)し、行動し(Do)し、検証(Check)し、改善(Action)するというサイクルを回すことで、仕事を効率的に進める。あるいは事業を改善したり、新たに挑戦したことの成長速度を上げようというものです。

この『PDCAサイクル』を今すぐやめましょうというお話ですが、

ここまで読んでくださったあなたならその理由は察せるかもしれません。

『PDCAサイクル』では動(Do)の前に計画(Plan)がある。つまり「行動する前に計画を練りましょう」というメッセージが込められていて、これが非常に良くないんです。

特にビジネス初心者の場合は、経験も知識もない状態の「計画」なんて何の効力もなく、その計画通りに上手くいくことなんてまずないんですよね。

正しくは『DCAP(ディーキャップ)サイクル』を回していくのが好ましいです。

まずは「行動(Do)」し、やっていく中で「検証(Check)」や「改善(Action)」を重ね、「軌道修正(Plan)」をしていく。

これこそがビジネスシーンで最も効率よく成果を出すために大事な実践方法になります。

最初に計画を練ろうとすると、完璧主義に陥っていつまでたっても「行動」に移せなかったり、最悪熱量が下がって「やめてしまう」ことになりかねません。

まずは「行動」です!ガンガン見切り発車し、走りながら考えましょう!

コネクティング・ザ・ドッツ【スティーブジョブズ】

「コネクティング・ザ・ドッツ」という言葉を知っていますでしょうか?

Apple創業者のスティーブ・ジョブズが、スタンフォード大学の卒業式でスピーチをしたときに語った内容であり、そこで生まれた名言でもあります。

  • コネクティング=繋げる
  • ドッツ=複数の点

端的に訳せば、「点と点をつなげれば線になる」という意味であり、これを人生論に置き換えて学生たちに熱弁したのです。

  • 今の行動が正しいかどうかなんて分からない。後で振り返ってみると一つ一つの行動が繋がって意味を成している
  • 点は行動の結果であり、行動をしない限り点は生まれない
  • 正解を探すことに精を出すよりも、選んだ道を正解にすることに精を出すべき

このような教訓が詰まっているスピーチでしたが、

ジョブズは「考えてから行動しろ」「後先考えて動け」なんてことは一言も言っていません。

どちらかと言えば逆ですよね。

行動しなければ結果は生まれないと。正解かどうかじゃなく、選んだ道を正解にする努力をせよと。

振り返ればあの時の行動が正解だったことに気づき、行動と行動が線になって意味を成していたと気づくんだと。

日常生活におけるすべてのシーンで「後先を考えることは無駄!」とは言いませんが、
「後先考えて行動すべき」と固定した考えを持つと人生において不利に働くケースが多いと。そんなお話でした!

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