ビジネス・マーケティング・商売・仕事・作業|これらを定義し語れますか?

「ビジネス」「マーケティング」「仕事」「商売」などなど。

僕たちが日常的に使っている言葉ですが、どれも意味が似ているため、混同してしまうことがありますよね。

他にも「作業」や「就業」、「営業」もそうだと思います。

これらをしっかりと区別し、自分なりに定義して語れるかどうかって、些細なことのように思えて結構重要だと思うのです。

プロとしてやっているなら、なおさら。

今回はそういうお話をしていきます。

目次

辞書的な定義

まずは、辞書的な定義について明確にしておきましょう。

英語で表現される「ビジネス」「マーケティング」と、日本語で表現される「仕事」「事業」「商売」「作業」などの類似単語。

日本語の方を、片っ端からGoogle翻訳で英語変換していくとこのようになりました。

商売→ビジネス(Business)

事業→ビジネス(Business)

就業→エンプロイメント(Employment

仕事→ジョブ(Jobs)

営業→セールス(Sales)

作業→ワーク(Work)

ちなみに、マーケティングに変換される日本語がなかったので、個別で調べたところ「売れる仕組みを作る活動の総称」というような感じで出てきました。

抽象度や意味の範囲でいえば、「マーケティング」は「事業」と同じくらいな気がします。個人的に。

抽象度の高さ

「ビジネス(商売)」「マーケティング(事業)」「仕事」「営業」「作業」など、これらは類似の単語ですが、抽象度に違いがあります。

例えば、パソコンでカタカタとExcelに数値を入力する行為に対しては「作業している」という表現はしっくりときますが、「ビジネスしている」という表現はしっくりとこないでしょう。

逆に、経営戦略や事業計画を練ることに対して「作業している」という言葉はしっくりこないし、この場合は「ビジネスをしている」という言葉がしっくりくるかと思います。

例外的に、「仕事する」という表現は両方ともしっくりくるので、「仕事」は最も広範囲の意味をカバーしている単語だといえます。

経済活動において中枢に近いほど抽象度が高く、末端にいくにつれて具体性が高くなりますが、

同時に言えることは中枢に近いほど頭脳を使い、末端にいくにつれて肉体を使う仕事の割合が多いということです。

抽象度高(具体性低・中枢に近い) 具体性高(抽象度低・末端に近い)
ビジネス、商売、マーケティング、事業 就業、営業、作業

『就業』とは「業務に取りかかること」という意味ですが、会社員(従業員)であることが前提です。

「経営者」と「従業員」で切り離したときに、「従業員」の方が具体性の高い仕事を行う場合が多いので、『就業』を具体性高の方に入れました。

抽象度の高い仕事ほど報酬が高いという法則に気づくことができます。

パソコンで表に数値を入力するだけの事務仕事より、経営や事業の戦略を練って組織を動かす仕事の方が、当たり前に給料が高いですよね。

今ご自身が行ている仕事の抽象度を確認してみるのも、いいかもしれません。

もっと本質的な意味や定義

「仕事」とはなにか?とか「ビジネス」とは何か?みたいな問いって、
辞書に載っている定義だけで語られるものではないと思うんです。

「幸せ」とは何か?「自由」とはなにか?「健康」とはなにか?
みたいに抽象度が高くて哲学的な問いなので、言ってしまえば『絶対的な正解はない』のでしょう。

『絶対的な正解はない』からこそ、それぞれが自分なりに定義し「これこそが正解なんだ!」と主張することが許されるわけです。

というわけで、ここからは辞書的な定義をガン無視して、僕なりに「ビジネス」「マーケティング」「仕事」「作業」について定義して語っていこうかと思います。

僕自身、成長していく過程で定義は変わっていくかもしれませんが、今のところの僕の主張はこんな感じです。

ビジネス(の本質)とは?

「ビジネス」とは何なのか。ビジネスの“本質”とは何なのか。

僕が思う「ビジネス」とは、「どれだけの人々のライフスタイルにかかわることができるか」です。

それは

  • どれだけ多くの人のライフスタイルにかかわれるか
  • 1人の人のライフスタイルにどれだけ多くかかわれるか

この両方ともですが、これを追求していくことこそが「ビジネス」です。

ビジネス=価値提供だと言う人が多くいますが、「価値提供」だけだと全然足りないと思うし、
「どれだけライフスタイルにかかわれるかを追求すること」の方が本質的だと思います。

例えば、

シャンプーひとつとっても、『メリット』を使うか『Essential(エッセンシャル)』を使うのか。

他にも、あなたのライフスタイルを彩るシャンプーは今たくさんあります。

お風呂場にどれが置いてある方が、あなたにとって好みのライフスタイルになりますか?
友達が家に来たときのことを考えると、どんなシャンプーを置いていたいですか?

『髪を洗う』という機能面においてはどのシャンプーも差はなく、現代の人々が商品を選ぶ基準って

「どれを使った方が、より自分のライフスタイルが映えるか」

だと思うんです。

MacbookやiPhoneを使っている人だって、機能面でいえば他にもっといいのはあるけど、
スタイリッシュで洗練されたデザインをしているApple製品を、ライフスタイルの一部して取り入れたいから使っているわけです。

違う例でいえば、

ダイエット商品やコミュニケーションノウハウに関する書籍(教材)を買う人って、
コンプレックスを解消して新たなライフスタイルを手に入れたいと思っている人が大半ですよね。

「モテるようになりたい」とか、「人間関係を充実させたい」とか。

ビジネスを「価値を提供する」と捉えると、瞬間的でその時限りのイメージがありますが、
「ライフスタイルにかかわる」と捉えると、常に長期間にわたって密接に影響を与えるイメージを持てるかと思います。

だからビジネスとは、自分が販売する商品、あるいは自分自身がどれだけ顧客のライフスタイルにかかわれるかを追求していくこととなるわけです。

マーケティング(の本質)とは?

では「マーケティング」とは何なのか。マーケティングの本質とは何なのか。

『勝つための戦略(を立てること)』

これがマーケティングの本質ですね。

しっくりきやすいように“勝つ”と表現しましたが、ライバルを差し置いて自社の売上を上げ、市場のシェア率を広げる。そのために作戦を練ることです。

上では、ビジネスとは「どれだけの人々のライフスタイルにかかわれるか」だと定義しましたが、

じゃあ、どうやったらそれが実現できるか?どうやったら自社商品がお客さんのライフスタイルに根付くのか?

という「How」の部分について徹底的に詰めていかなければいけません。

どんなビジネスモデルを組んで、どうやって集客をして、どうやってクロージングするのか。
購入率を上げるためにメルマガを配信したり、無料サンプルを配布したりするのか。
顧客のロイヤリティーやLTVを上げるための施策はどうしようか。

などなど。

戦略も戦術も無数にあるなかで、自分たちが“勝つ”ためには何をどういう風に採用するのかが非常に重要なんですよね。

お笑いタレントの今田耕司さんは、2010年ごろにバー経営で失敗していたことをテレビで話しましたが、
オモロー山下さんから

「バーは儲かりますよ。よく考えてください。一升瓶2000円なんぼでっせ。水で薄めて1杯700円とかで売れるんですよ。腐らないんですよ? 絶対儲かるじゃないですかー」

引用:narinari.com

と言われて、「なるほど!バーや!」と納得して開業したそうです。

莫大な費用はすべて今田さんが持ち、実質的な運営は店長さんに任せていたが、最終的に揉めて失敗に終わったという。

テレビではネタとして面白おかしく話していたと思うので、実情はわかりませんが、察するにろくにマーケティングをしていなかったんだろうなと…笑

何を売るかとか、何をやるかとか、誰が売るかとかは重要じゃなくて、

どんなビジネスでも大事なのは「勝ち方」。つまり「マーケティング」なんだというのがとてもよく分かります。

逆に言えばですよ。

戦略や戦術の知識が豊富で、「勝ち方」が分かる人材になれば、

自分が商品を持っていなかったとしても、商品を持ってる人と組んでビジネスを行うことができますし、

企業のコンサルに入って“勝たす”ことだってできるわけです。

他人を勝たすことができる人間って、とてつもなく社会的価値が高いと思うし、

勝たすことでめちゃくちゃ喜んでもらえるので、得られる貢献感も桁違いです。

勝ち方が分かる。戦略が組める。つまりマーケティングができる人材になることを一緒に目指しましょう。

作業とは?

『ビジネス』や『マーケティング』では方向性や戦略を考える抽象度の高い仕事が中心になりますが、
『作業』はかなり具体性の高い仕事となります。

例えば、

「DRMをビジネスモデルとしよう」←このように戦略を決めるという抽象度の高い仕事は『マーケティング』で

「ブログを書こう!」←このように手を動かして執筆する具体性の高い仕事を『作業』といいます。

具体性の高い仕事の方が簡単で、始めるハードルが低いというメリットがありますが、
デメリットが2つあります。

  • 誰でもできてしまう故に報酬(時給)が低い
  • 経済活動における末端の仕事は、楽しさや貢献感を感じにくい

    誰でもできる仕事の時給は低く、専門的な仕事や抽象度の高い仕事の時給(報酬)が高いというのは、ビジネス社会の真理なのと

    正直、作業系の仕事(皿洗いやレジ打ち、Excel入力など)って一般的に楽しくはないのと、
    人や社会に貢献していると感じづらいと思うんです。(もしあなたが生業にしていたらごめんなさい。)

    だからもし、大きく収入を得ながら楽しさや貢献感(つまりやりがい)を求めるのであれば、
    作業とは『いち早く手放したいもの(手放すべきもの)』になります。

    手放すとは、外注や業者にアウトソースしたり、自分が手を動かさなくてもビジネスが回る仕組みを作ってしまうことですね。

    決して作業系の仕事を全否定しているわけじゃないし、それを行っている人への否定の意味も一切ありませんが、

    抽象度の高い仕事に移行して、お金と時間の自由度を拡大したいのであれば、作業系の仕事とはおさらばしていくべきです。

    仕事とは?

    「仕事」とは?と問われてパッと思い浮かぶのって

    社会の役に立つこと。人に価値を与えること。時間と労働力を提供すること。生活するためのお金を得ること。人間的成長を追い求めること。

    などなど。こんなところだと思いますが、

    僕は、仕事とはこの世で一番楽しい娯楽だと思っています。

    ヒトは誕生した1000万年前から群れを成し、集団で生活していましたが、

    1人ひとりが群れに何かしらの役に立つ(つまり仕事する)ことで、生きながらえてきました。

    「仕事をする」というのは人間にインストールされた性質であり、

    これに逆らって「仕事をしない」というのは、不合理で幸せになれないことなのです。

    逆に言えば、

    人が一番幸せを感じるときって「人の役に立っている」「社会に貢献している」「感謝されている」「信頼されている」と実感するときであり、これらは仕事でしか得ることができません。

    ゲームするのも楽しいと思いますし、テレビやYouTubeを見るのも楽しいし、スポーツしたり飲みに行ったりするのも楽しいと思います。

    僕もこれらは大好きです。

    だけど、それ以上に楽しくて幸せを感じるのってやっぱり『仕事』だと思うわけです。

    こう言うと綺麗事に聞こえるかもしれませんし、

    「仕事が楽しいわけないだろ!」「生活のために我慢してやってんだよ!」

    という猛反論が聞こえてきそうですが、

    仕事が楽しくないのは、「貢献感(人や社会の役に立ってる実感)」を感じていなかったり、
    信頼されている実感がないからだと思っています。

    上の章で、経済活動における末端の仕事(つまり作業)は、貢献感を得にくいと書きましたが、

    お皿洗いやレジ打ち、Excel入力をしてめちゃくちゃ誰かの役に立っている実感って得にくいじゃないですか。現実的に。

    マーケティングのスキルを身に着け、ビジネスができるようになると、

    人の人生を激変させたり企業の売上を上げたりして、めちゃくちゃ感謝されるわけですね。

    ダイレクトに貢献感を得られるし、信頼されるようになるし、そうなるとあらゆる娯楽よりも仕事の方が楽しくなります。

    知識を身に着け、出来ることが増えると、「人の役に立てる範囲」が広がっていくので、
    自分をレベルアップ(成長)させていくゲームのような楽しさだってあるわけです。

    人生論的な話になりましたが、

    ビジネスの知識やマーケのスキルを身に着けると、仕事はこの世で一番楽しい娯楽になります。

    ネットビジネスとWEBマーケティングの違い

    インターネットを主戦場としてビジネスをやっている人で、
    「ネットビジネスやってます!」という人と「WEBマーケティングやっています!」という人で分かれますが、この2つは似ているようで違います。

    結論から言うと、抽象度の高さの違いです。

    まず、「ビジネス」と「マーケティング」は上述している通り、
    「ビジネス」の方が抽象度が高く、「マーケティング」の方が抽象度が低い(具体性が高い)概念になります。

    ビジネス > マーケティング

    抽象度の高さでいうとこうです。

    次に「インターネット」と「WEB」も、意味は似ていますが「インターネット」の方が抽象度が高く、「WEB」の方が抽象度が低い(具体性が高い)概念になります。

    インターネット > WEB

    なので、『ネットビジネス』は抽象度が高い×抽象度が高い組み合わせの単語であり、

    『WEBマーケティング』は抽象度が低い(具体性が高い)×抽象度が低い(具体性が高い)組み合わせの単語となるので、

    『ネットビジネス』の方が抽象度の高い概念ということになります。

    意味で言うと

    ネットビジネス=インターネット上で行われる商売

    WEBマーケティング=WEBサイト(ブログ・HP)を使って売上を伸ばす戦略

    こんな感じですね。

    「ネットビジネスやってます!」も「WEBマーケティングやってます!」も、本人的に違いはそんなにないと思いますが、

    聞き手からすると「インターネットでビジネスをやっている」と聞こえるか、あるいは「WEBで売上を伸ばすスキルがある」と聞こえるか。このニュアンスの違いはあります。

    「ネットビジネスというとちょっと胡散臭く聞こえそうだから、ちょっとカッコいい風のWEBマーケティングと言ってる」という人も結構いそうですが、

    この2つは違うものなので、意味を知ったうえでどちらを名乗るのかを決めたいですね。

    最後に

    経済活動における類似のワードである「ビジネス」「マーケティング」「仕事」「商売」「作業」など。
    これらの違いや定義について、僕なりに語ってみました。

    辞書的な定義は調べればすぐにわかりますが、とても広い概念なので、人それぞれ捉え方も変わってくると思います。

    経営者に「仕事とは?」と聞くのと、プロスポーツ選手に「仕事とは?」と聞くのと、お笑い芸人に「仕事とは?」と聞くのでは、全然違う答えが返ってきそうですよね。

    絶対的な正解がないからこそ、自分なりの正解を持つことは大切だと思うので、ぜひ考えてみてください!

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