事業者がビジネスを始めてほぼ最初にすることがターゲティング(ターゲットの設定)だと思いますが、
多くの人がこのターゲティングについて誤解していたり、方法が間違っていたり、ペルソナ設定と混同していたりします。
今回は、ビジネスにおける正しいターゲティングについてお話していきます。
ターゲティング(ターゲット設定)とは?
ターゲットは直訳すると「標的」となりますが、ingをつけると「標的を定める」とか「狙いを絞る」という意味になります。
ビジネスやマーケティング的に変換すると、不特定多数の人に「誰でもいいから買って!」というのではなく、
誰に買ってほしいのかを明確にし、その人が買ってくれるように戦略を練るという意味になりますね。
そもそもビジネスとは、
- 誰の
- どんな悩みを
- どんな方法で解決し
- どんな未来を叶えるのか
というコンセプトのもとに行われていくものであり、逆にこのコンセプトがボヤッとしてるビジネスは上手くいかないので、
『誰の』というターゲットの部分を明確にするのは、大前提のことです。
ターゲットを絞ると顧客が増える理由
一見、
「不特定多数の人に販売した方が、多くの人がお客さんになりそうじゃん」
「ターゲットを絞るとその分お客さんの数が減りそうじゃん」
というふうに思うかもしれませんが、
多くの人に売ろうとすると逆に「誰のための商品なのか」がボヤッとしすぎて、結果的に誰も手に取ってくれない商品になってしまいます。
例えば、
あなたが『人間関係を円滑にするコミュニケーションのノウハウ』を持っていて、
それを「一人でも多くの人に」と、不特定多数の人に向けて販売するとします。
しかし、営業成績を上げたい人はビジネスシーンで役立つコミュニケーションノウハウを購入するでしょうし、
異性との距離を縮めたい人は恋愛に役立つコミュニケーションノウハウを購入するでしょうし、
対人恐怖症でコミュニケーションに苦手意識を持っている人はそれを解消するためのノウハウを購入するでしょう。
人それぞれ解決したい悩みや叶えたい未来があり、それを実現できるより専門的なノウハウを購入したいと思うのが、当然の人間心理です。
ターゲットを絞れば、ターゲット“外”の人は顧客にならないかもしれませんが、それ以上に需要をピンポイント満たすターゲット顧客が来るようになります。
ビジネスにおける正しいターゲティングの方法
ここからは具体的なターゲティングの方法に入りますが、
具体的なと言っても意識すべきはこの2つだけです。
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これを考えて明確にすることが、ターゲティング(ターゲット設定)です。
2つだけでいいの?と思うかもしれませんが、この2つを具体的に鮮明に言語化することが大事なので、ちょっと難しいかもしれません。
ケーススタディ:カフェ経営でのターゲティング
例えば、カフェを経営するとしてターゲティングをしてみましょう。
- どんな悩みを抱えていて
- どうなりたいと思っている人
に対して『カフェ利用』という解決策を提案するか、と考えていきます。
カフェを利用している人って、コーヒーが飲みたいわけじゃなくて
- 仕事したい
- 勉強したい
- 読書したい
- 「オシャレなカフェで仕事(勉強)をしている自分」を体験したい
こういった目的で利用している人が多いですよね。
大事なポイントは、これらのニーズ全てを取り込もうとしてはいけないことです。
ここで「カフェで仕事がしたい人」をターゲットにしてもいいのですが、
それだとまだボヤッとしすぎていてターゲティングとしては甘いと言わざるを得ません。
カフェで仕事をしている人が抱えている「悩み」とは何なのか?
- 社内で長時間デスクワークしていると集中力がなくなってくる
- オフィスがきれいじゃなくて、あまり仕事ができる環境じゃない
- 営業で外回りに出た時に、社外でデスクワークできる場所が少ない
こんなところだと思います。
さらに言えば、既存のカフェでは
- 席が近いからパソコンを覗かれそう(仕事内容を見られそう)
- 近くのお客さんの話し声がうるさくて集中できない
- 椅子が硬くて長時間座るとお尻が痛くなる
こういった「悩み」を抱えている人も多いかもしれません。
では、そういった悩みを抱えている人は、それを解決して「どうなりたい」のでしょうか?
- (職場とは違う雰囲気の場所で)リフレッシュしながら仕事への集中力を持続したい
- 快適な場所で仕事がしたい
- 安心して仕事がしたい
おそらくこういったニーズがあることが想像できます。
だから、
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こういう人がターゲットとなるわけです。(あくまで一例ですが)
そして、ターゲティングとはこれくらいまで具体的にしなければいけません。
これくらいまで具体的にするから、
- パソコンを覗かれないようにセパレートを設置しよう
- 席の間隔を広く保とう
- ビジネスパーソンが電話するための個室を設置しよう
- 長時間利用することを前提に、椅子はクッションがあるものにしよう
といった施策が決まり、ターゲットが利用しやすいカフェにすることができるわけですね。
なので、ぜひターゲティングでは
- どんな悩みを抱えていて
- どうなりたいと思っている人
を具体的に鮮明に言語化するようにしましょう。
多くの人が誤解しているターゲティングとは
とくにビジネス初心者にありがちなことですが、ターゲティングというと
- 年齢は20代で~
- 性別は女性で~
- OLをしていて~
といったように『年齢』や『性別』『職業』などでセグメントを切りがちですが、
ターゲティングとはそのようなものではありません。
年齢や性別、職業などの詳細はペルソナ設定で決めることであり、ターゲティングとは「その商品の価値を最も享受するのは、どんな人なのか?」です。
商品=「悩み」の解決策
なので、その「悩み」を抱えている人(その悩みを解決して「こうなりたい」と思っている人)がターゲットになるわけです。
まとめ
ターゲティングとは、「誰に」売るのかを明確に定めることですが、考えるべきことは
- どんな悩みを抱えていて
- その悩みを解決した先にどうなりたいと思っている人なのか?
この2点だけです。
この2点だけですが、より具体的にリアルに言語化しましょう。
また年齢や性別などのターゲットの詳細情報は、ペルソナ設定で決めることなので
- ターゲティング
- ペルソナ設定
この2つを混同しないように注意しましょう。
以上、ターゲティング(ターゲット設定)についてでした!